【ワンズ・ラフのストーリー⑬:旅立ちの日】
4月2日はゲンキの旅立ちの日。まだ桜が残っていました。その日はワンズ・ラフの通常イベントもあり、いつもどおりお見送り・お迎えの仕事をしてくれました。かなり衰弱が進んでいましたが、近隣からあそびにきている子どもたちを眺めたり、虫の知らせでかけつけてくれた非常勤スタッフのともこさんの声にも応えていました。
今思い出すと、この桜の期間、ゲンキは大好きだった皆さん一人ひとりに甘えて、お別れの挨拶をしていたような気がします。そしてその日の午後静かに旅立ちました。
今までと変わらない毎日を過ごしながらも、この日からぽっかりと心に穴が空いた日々でした。これから「ワンコの森あそび」をどういう風にしていこうか…ずっと悩んだ末のひとつの答えが、この「子ども向けプロジェクト」への挑戦でした。この挑戦を進めていくなか、「ワンコの森あそび」をつくってきた幸せな時間や苦しかった時期を思い出し、「ワンズ・ラフのストーリー」という形で僕たちの思いを言葉にさせていただきました。とても大切な機会を与えてもらったと感謝しています。
この挑戦中に皆さまからいただいたひとつひとつの温かいメッセージが、まさに僕たちへの大きなクリスマスプレゼントです。
『そう、旅立った犬たちみんな、今も僕たち飼い主と一緒に生きているんだ』
このクリスマスの日、僕たちワンズ・ラフにとって新たな旅立ちの日になりそうです。
ワンズ・ラフ 小田 明